隙あらば自分語り

備忘録で雑記です。思想のゴミ箱です。自己顕示欲性廃棄物最終埋め立て処分場です。

母校のロボコンが出来レースさせられてた回顧

うわなんか編集画面が変わってる。wordみたいになってる。きもちわる。

 

母校のロボコン出来レースさせられていた

タイトル通りなんですけど、この話もう5、6年前になるんですよね。なんで今この話するかっていうと

 

だからです。みんな来週のイッテQ見ようね!僕の上司その2な先生もたぶん出るらしいよ(時事&身内ネタ)

 

ちなみにこのじゃんぺん君、たしか僕が入学する前からいる高専付喪神というか狛犬レベルのロボットで、「大会期間中だけ動いてくれたらいいからモーターに定格以上の電流を流す」都市伝説すらある母校のロボコン用ロボットなのに、よくまだ動いてんなって感じです。

(なお噂レベルの話なのでこの発言に対する責任はとりません)

 

以下ほんぺん

世の中にはロボコンってジャンルがあります。こんなブログ読んでくださる方々に改めて説明しても恥ずかしいだけですが、上手な話の入り方がわからないコミュ障なので説明します。

 

決められた競技を自分たちで作ったロボットで挑んで、相手のロボットを下して勝ち進んでいくってやつで、工業高校なり高専では、その学校のランク付けにすら多大な影響を及ぼす、まさに花形コンテンツ。

 

学校としても、自分のところの学生の質をアピールできる絶好の場所ですし、それこそすごい成績を残したロボットは何年も保存されてイッテQも来ちゃうんですから、実態はどうあれ影響はデカいですよね。

 ちなみに、ロボコンといっても直接ロボット同士がタイマンバトルするようなことはほとんどありません。

 

アメリカでは、本気で相手のロボットを壊しに行くロボコンがあるらしいですよ。


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(これは違う)

 

高専ロボコンでは、30周年かなんかのときに派手さを優先して「相手のロボットについた風船を多くたたき割ったほうが勝ちのチャンバラバトル」みたいなルールでやってました。なんかパッとしない大会だったけど。


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前置きが長い。

 

さて、僕の母校が出来レースさせられていた大会は今から6年前にさかのぼります。

 

2015年大会、当時中学3年生、絶賛高専受験中。モチベ維持のために見ていた高専ロボコン地方、全国大会に、圧倒的な化け物が出現しました。

 

それが奈良高専Aチーム、大和です。


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(1:10~試合)

 

2015年大会のルールは、見たらわかる通り輪投げ。自陣の3本のポールに輪を入れた後、敵陣のポールに輪を入れ、最後に真ん中のポールに引っ掛けるという順番で、時間内にどれだけ得点を取れるかを競う競技。

これらのポールすべてに輪を投げ入れることが出来たらパーフェクトゲームで、その時点で勝利確定というルール。

 

…上の動画の短さを見ておらえればわかると思うんですが、奈良高専Aチーム大和くん、試合時間3分間のうちたかが30秒でパーフェクトゲームという異常な速さで、この年の全国大会、ほとんどの試合を完封勝利したという文字通りの怪物でした。

 

なんでこんなとんでもねぇ怪物が生まれたのか、自分の勝手な考察なんですけど、完全に奈良Aチームの発想力がルールの穴をついたって感じなんですよね。

 

下の動画を見てもらえれば分かるんですけど、たいていのロボットはポールの前に移動して照準、発射しています。


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距離に合わせて照準を変えたり、砲自体を変えることで対応している。正直これが普通。王道。自分も同じルールで勝てるロボット作れと言われたら普通にこれを思いつく。

 

しかし大和は違いました。

全9門、全てのポールに対応した砲を用意して、所定の位置に付いたら発射するだけでパーフェクトゲーム

 

その威容はまさしく戦艦大和。46cm3連装砲3基と寸分たがわぬそのシルエット。

 

試合見た時には圧倒的すぎて笑っちゃった。

 

全国決勝戦、相手の香川高専も強いロボットで、それまでの試合も安定して勝ってました。パーフェクトゲームもするし。

 

でも大和くんがその横で主砲斉射しているのを見て、視聴者、参加者、大会関係者全員青ざめたんじゃないでしょうか。記憶に脚色が入ってると思うけど入っててほしいぐらいには悲惨だった。

 

余談ですが、奈良高専は2チーム出場していました。

 

こちらがBチームのロボット、「射貫け!わぶさめくん」


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クッッッッッソかっこよくないですか?????

なにがクールかって、横でAチームが本気で大会を獲りに来るガチロボットを作ってる横でこれを作っているので、完全にパフォーマンスに全振りしたところ。

ロボコンといっても、勝つのが全てではなく、こういったパフォーマンス重視のロボットも数多く登場します。

その中でも2015年大会の奈良Bチーム、わぶさめくんは圧倒的に審査員の心をわしづかみして、試合は全然勝ってないのにかっこいいからという理由だけで全国エキシビション出場しました。

 

高専ロボコンには、総合優勝の他にもう一つ、優勝とほぼ同列にみなされる賞があります。それがロボコン大賞。

これはまあ単純に、審査員として呼ばれた工学界の人たちが素晴らしいと思ったロボットを賞するもので、工業高専ですから技術が認められるってのはたぶん栄誉になるんです。他にも技術賞とかデザイン賞とかとか。

 

はい、2015年大会、大和は総合優勝もロボコン大賞も両方取りました

高専ロボコン史上3校目とかでしたっけ2冠達成は。そのうえ近畿地区の高専で初優勝ってんですから、マジでお祭りムードでした。

 

つまるところ、2015年大会はパフォーマンス面でも試合面でも奈良は圧倒的でした。いや、お世辞とか母校だから推してるとかじゃなくて、本当に圧倒的でした。

 

そう、NHKで後日特番が組まれるぐらいには。

 

 

奈良高専VS明石高専!明石宿願のリベンジ!

そう、確かこんな感じのタイトルでした。

奈良Aチームが圧倒的な勝利を飾った数週間後、NHKのなにかの番組内で、奈良VS明石の番組特別マッチが行われました。結構インターネットの海を駆け回ったんですけど、検索に出てきませんでしたね…。ということで、記憶を頼りに書きます。

ちなみになんでNHKかっていうと、高専ロボコンの主催がNHKだからです。

 

奈良高専と明石高専。なんかこの2校って微妙な関係です。

高専の偏差値ランキング常に最上位の明石と、そのちょっと下を行く奈良。

同じ国立高専なのに、設備や高専祭の豪華さで後れを取る奈良。

よくある寒い高専ネタの一環のように、奈良と明石を比較するネタは結構ありました。

…まあ在学中後半ぐらいから「普通に僻んでるだけじゃんしょーもな」みたいな風潮で消滅してたんですけど、「明石がよかったけど入れなかったので奈良来ました」みたいな人は数人観測したので、関係性は変わんないです。

 

そんな奈良が、ロボコンで明石に砂をかけた!!!ってなもんで、まあ一部は盛り上がってたんじゃないでしょうか。知らんけど。

 

何がアツいかって、全国準決勝で奈良は明石を下して決勝進出するんですが、近畿大会決勝でもこの2チームは優勝を争い、奈良が勝利しているんですよね。

展開クッソ激熱です。関係性からしてめちゃくちゃいい。

 

そんな中で組まれた、奈良VS明石のリベンジマッチ。しかしこれが、完全な出来レースでした。

 

大会公式のルールでは、以下のようになっているフィールド。

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引用元:https://www.nhk-ep.co.jp/kosen-robocon-151207/

 

これが何故か、問題の番組では半分ぐらいのサイズかつ、ポールの数を6個に減らしたフィールドで対戦することに。

 

奈良高専Aチーム、大和がなぜ強かったか。

それは公式大会のフィールド上では、確実に輪がポールに入るように設計されているからです。

つまるところ、大会公式のフィールド以外ではほぼ無力です。

 

一方、明石のロボットはこれ。


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この大会では最もポピュラーな「移動して輪を発射する」タイプ。ポピュラーというか、大和以外はみんなこれなんですけど。

移動して発射するタイプの利点は、自分で照準を調整できるところ。

大抵のロボットは、筒に入れた輪を空気圧で発射したり(大和も同様)、明石のように機械的に引っ掛ける手段をとっています。

しかし長いこと使ってるうちに、機械トラブルによって射程が縮んだり、モーターが逝って動かなくなったりしてしまいます。限られた予算と人員、学生が一から組んでるロボットなので致し方ないですし(そうはいっても僕には作れない)、実際「大会期間だけ何とか動いたらヨシ!」みたいなはかない命のロボットがいっぱいです。

そういったときに、移動して撃てるタイプはリカバリーが効きやすく、その場の機転で窮地を脱しやすいです。

 

しかし大和はそれができない!

所定の位置に移動して、正常に発射できればまさしく最強。

 

つまるところ、大会公式と同じフィールドが使えない時点で、奈良の勝利はほぼ無くなっています。

 

さて、番組のメインイベント。奈良VS明石リベンジマッチ。結論から言うと、明石の圧勝でした。

 

明石側のロボットは、移動して確実に輪を投げ入れていく。しかし奈良の大和、9門ある空気砲は、照準を変えることはできず、いつものポジションから確実にホールインワンを決めることができる角度で固定されている。

しかし、いつものポジションは用をなさない。何故ならフィールドの形状が違うから。

慣れない移動を行い、まったく角度調整を行えない状態で、知らない場所から輪を撃つ。普通に入らない。

 

結果は、明石の勝利でした。かくして明石はリベンジを果たし、番組の女性アナウンサーから祝福のメッセージをいただいていました。

 

以上が、高専入学直前の僕が見た、2015年大会のその顛末でした。こうして今、母校のロボコンが日の目を見ようというときに思い出した、懐かしき記憶でした。

 

「おのれNHK!」

激寒高専ネタ予備軍だった当時の自分は、高らかに叫びましたとさ。Twitterで。

 
とは言いつつも

…でも、大会公式フィールド使うと奈良が勝っちゃう可能性は相当高いんですよね。実際2戦やって、奈良は2勝しています。

普通にやったら奈良が勝つ。でも明石のリベンジマッチが番組の本旨。番組関係者の胃を思うと同情はできますが、結局どう調整してもどちらかが絶対に勝てるルールになってしまうのは明白。いい勝負にできるルールは事実上存在しない。

結局誰もうれしくない番組だったんじゃないかなと思います。〆。

 

 


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奈良高専Aチームの大和公式動画。がっこうぐらし~おたより~が10月発売なので買おうね。